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ダヴィンチ(ロボット支援手術)

ロボット支援手術とは

 ロボット支援手術は、ロボットの支援により(力を借りて)行う腹腔鏡(胸腔鏡)手術です。
 患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術のメリットはそのままに、腹腔鏡手術の欠点をロボットが補うことで、複雑で精緻な手術操作をより低侵襲に行うことが可能になりました。

  当院では2013年1月に泌尿器科でロボット支援手術を導入し、外科(消化器外科・呼吸器外科)、婦人科にも適用を拡大。2024年3月までに累計1,039件(泌尿器科711件、外科279件、婦人科49件)の手術を行っています。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は、お腹に小さな切開創を数か所開け、そこに腹腔鏡という内視鏡(小型カメラ)や専用の器具(鉗子(かんし)や電気メス)を入れ、モニターに映し出された画像を見ながら行う手術です。

【開腹手術と比べたメリット】
体への負担が少ないこと(低侵襲)が1番のメリットです。

  • 個人差はありますが、創が小さいので手術後の痛みが少ない。
  • 臓器が外気に触れる時間が少ないので比較的術後の回復が早い。
  • カメラによる拡大視効果により細い繊維や血管などを見極めながら手術ができますので、手術中の出血が少ない。
  • ロボット支援手術

    従来の腹腔鏡手術で術者は患者さんの体と向き合って手術を行いますが、ロボット支援手術では離れたボックス(サージョンコンソール)に座り、画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。その動きがペイシェントカートに接続されたロボットの手に連動し、手術が行われることになります。従来の腹腔鏡手術のメリットに加え、ロボット支援手術では以下のようなメリットがあります。

    【従来の腹腔鏡手術と比べたメリット】

    • 2Dで平面的にしか術野を捉えることのできない腹腔鏡手術と異なり、ロボット支援手術では高解像度3D(立体)画像により、より良好な視野で手術を行うことができる。
    • 腹腔鏡手術の器具(鉗子)は直線的な動きしかできないが、ロボットの手は多関節で人間の手では再現できない角度の動き(関節の360°回転など)もできる。
    • 手振れ補正機能や術者の手元の動きを縮小して反映するスケーリング機能がある。
    • 手術支援ロボット「ダヴィンチXi」について

       「ダヴィンチ」は米国のインテュイティブサージカル社が開発した手術支援ロボットで、当院が導入している「ダヴィンチXi」(da Vinci Xi Surgical System)は第4世代にあたる最新機種です。
       以下の3つのユニットから構成されています。

      • サージョンコンソール(Surgeon Console)
      • 術者の操作席。画像を見ながら手元のコントローラーでのペイシェントカートのアームを遠隔操作します。ズーム機能のある高解像度3D画像により、細かい血管まで確認できるなど、良好な視野で手術を行うことができます。

      • ペイシェントカート(Patient Cart)
      • 患者さんに接続され手術操作が行われる部分。先端に鉗子を取り付けた3本のアームとカメラが装着された1本アームから構成されます。多関節で、人間にはできない動き(関節の360°回転など)ができるため狭い空間でも自由に器具を操作することができます。

      • ビジョンカート(Vision Cart)
      • カメラからの画像の収集、処理をおこなうところ。術者以外のスタッフは上部 のモニターを見ながら手術のサポートを行います。

      ダヴィンチ機械