脳神経外科
当科の方針
高齢化社会になり、東総地区の住民のみなさまの医療全汎への関心はますます高くなっております。と同時に、一昔前と比べ、通信・交通手段の飛躍的な発達、インターネットの一般化、医療関係出版物の増加に伴い、医療機関の具体的情報の容易な入手が可能な時代になりました。すなわち、医療機関も患者さんに選ばれる時代になりました。
当科は創設されて50余年に亘り、地域の救急医療を担う一部門として、24時間・365日、急な病気、けがの患者さんにいつでも最良の治療を提供するよう努力して参りましたし、今後ともその姿勢を貫くつもりです。
他の医療機関から紹介された外来患者さんは、できる限り迅速に診断し、治療方針を決定します。もちろん、紹介状がない方でも、診療内容において、何ら不利益を受けるものではありません。通常外来は、月曜日から金曜日まで、予約・紹介状なしで受診していただいてかまいません。(ただ、紹介状がない場合、選定療養費を負担していただくことがあります)
当科では脳・脊髄疾患で可能な限り広範囲の病気、けがに対応できるよう心がけております。とはいえ、地方の一般病院ですので、特殊な病気では限界があるのも事実です。そこで、普段から大学病院との連携体制を整えております。
高度な脳血管内治療が必要な方、全国トップレベルの専門医を招聘し、当院にいながらにして、最良の治療を受けていただくことが可能です。
また、難易度の高い開頭手術が必要な方には、最適と思われる施設に紹介をします。
「自分の家族だったら、この先生に治療を受けたい」という機会を日頃から確保しております。
セカンドオピニオンのご希望があれば、最適と思われる医師(とはいえ、マスコミ・インターネットでもてはやされている医師が最適とは限りません)を責任をもってお勧めし、紹介状、資料をお渡しすることを約束いたします。
脳神経外科診療責任者 森脇拓也
「一次脳卒中センター(PSC)コア」「研修教育施設」認定
一次脳卒中センター(PSC)コア・研修教育施設
一次脳卒中センター(PSC)は、施設として学会の認定基準を満たし、24時間365日脳卒中患者を担当医師が受け入れ、可及的速やかに診療を開始できる施設です。脳卒中治療は、患者さんに最適な治療を少しでも早く判断し、開始することが重要です。今後ともこれまで以上に各医療機関との連携を強めながら、地域においてコアとなる脳卒中治療施設として貢献してまいります。PSCコアとは、機械的血栓回収療法を実施できない施設から、このような治療が必要な患者を常時受け入れる体制が必要で、さらには、整備の一環として、急性期治療の提供のみならず、脳卒中患者に対して医療及び介護に関する適切な情報提供を行う「脳卒中相談窓口」を設置し、地域の総合的な脳卒中センターとしての活動も求められています。
認定基準を満たした研修教育施設として、日本脳卒中学会が作成した脳卒中専門医カリキュラムに基づき専攻医の研修にも貢献して参ります。
一次脳卒中センター(PSC)認定要件
- 地域医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる
- 頭部CTまたはMRI検査、一般血液検査と凝固学的検査、心電図検査が施行可能である
- 脳卒中ユニット(SU)を有する
- 脳卒中診療に従事する医師(専従でなくてもよい、前期研修医を除く)が24H/7D体制で勤務している
- 脳卒中専門医1名以上の常勤医がいる
- 脳神経外科的処置が必要な場合、迅速に脳神経外科医が対応できる体制がある
- 機械的血栓回収療法が実施できることが望ましい。実施できない場合には、機械的血栓回収療法が常時可能な近隣の一次脳卒中センターとの間で、機械的血栓回収療法の適応となる患者の緊急転送に関する手順書を有する
- 定期的な臨床指標取得による脳卒中医療の質をコントロールする
- 一次脳卒中センター(PSC)に認定されていること
- 日本脳神経血管内治療学会の脳血管内治療専門医と3学会認定の脳血栓回収療法実施医が合計して常勤3名以上であること
- 血栓回収治療実績が年間12例以上あること
- 自施設において24時間365日、血栓回収治療に対応可能であること
- 脳卒中相談窓口を設置すること
- 日本脳卒中学会認定脳卒中指導医が1名以上常勤している施設であること
- 日本脳神経外科学会、日本内科学会、日本リハビリテーション医学会、日本医学放射線学会、日本救急医学会いずれかの認定施設であること
- 脳卒中に関する教育機能をもつ以下のいずれかの施設であること
- ①特定機能病院もしくは大学病院
- ②脳卒中関連の年間新患入院数が100例以上で、脳卒中診断・治療に必要な諸設備を有し定期的にカンファレンス(症例、CPC、関連診療科のセミナーなど)を行っている病院
- 日本脳卒中学会が作成した脳卒中専門医カリキュラムに基づいて研修できること
- 認定期間は1年とし、1年ごとに更新申請を行う
- 各施設の脳卒中施設長は1年毎にWeb上で日本脳卒中学会研修教育施設の年次診療実態調査票の提出を義務とする
- 外来診察室:4カ所(2号館)
- 病床数:47床(8階東病棟)、ほかICU適宜使用可能
一次脳卒中センター(PSC)コア認定要件
研修教育施設の認定要件
スタッフ
| 役職 | 氏名 | 学会資格等 |
|---|---|---|
| 脳神経外科主任部長 | 森脇拓也 | 日本脳神経外科学会指導医・専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 フローダイバータ―実施医 Onyx液体塞栓システムLD実施医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本脳卒中学会認定指導医・専門医 臨床研修指導医 小児慢性特定疾病指定医 |
| 脳神経外科部長 | ||
| 山本邦厚 | 日本脳神経外科学会指導医・専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 フローダイバータ―実施医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 rt-PA適正使用講習会受講済み |
|
| 鈴木孝典 | 日本脳神経外科学会指導医・専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 フローダイバータ―実施医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本脳卒中学会認定指導医・専門医 日本脳卒中の外科学会技術認定医 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定指導医・認定医 rt-PA適正使用講習会受講済み 小児慢性特定疾病指定医 |
|
| 脳神経外科医長 | 喜古一成 | 日本脳神経外科学会指導医・専門医
日本脳卒中学会認定専門医 日本脳卒中の外科学会技術認定医 日本頭痛学会専門医 難病指定医 小児慢性特定疾病指定医 |
| 脳神経外科主任医員 | 梁鉉宇 | |
| 脳神経外科医員 臨床教育センター医員 |
迫泰生 | |
| 前田絋一郎 | ||
| 特任医師 臨床研究支援センター長 |
渡邉三郎 | 日本脳神経外科学会指導医・専門医 |
| 特任医師 | 持田英俊 | 日本認知症学会指導医・専門医 認知症サポート医 |
| 嘱託 | 原広一郎 | 日本てんかん学会 てんかん指導医・専門医 日本臨床神経生理学会脳波分野指導医・専門医 日本精神神経学会精神科指導医・専門医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医 |
診察室・ベッド数
手術実績 2024年
| 大分類 | 小分類 | 件数 |
|---|---|---|
| 脳腫瘍 | 脳腫瘍摘出術 | 38 |
| 生検術 | 5 | |
| 経鼻下垂体手術(eTSS) | 1 | |
| 脳血管障害直達手術
|
動脈瘤クリッピング | 38 |
| バイパス手術 | 3 | |
| 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) | 8 | |
| 開頭血腫除去術 | 13 | |
| 内視鏡下脳内血腫除去術 | 4 | |
| 減圧開頭術 | 3 | |
| 外傷 | 開頭血腫除去術 | 19 |
| 穿頭ドレナージ術 | 145 | |
| HITT | 1 | |
| 小開頭ドレナージ術 | 1 | |
| ICPモニター留置術 | 5 | |
| シャント | VPシャント術 | 28 |
| 脳室ドレナージ術(外誘導) | 7 | |
| 内視鏡的第3脳室底開窓 | 4 | |
| シャント抜去術 | 1 | |
| シャント再建術 | 1 | |
| 血管内手術 | 血栓回収術 | 69 |
| 動脈瘤コイル塞栓術 | 26 | |
| CAS | 48 | |
| PTA | 11 | |
| フローダイバータ―留置術 | 7 | |
| 母血管閉塞術 | 4 | |
| 腫瘍塞栓術 | 7 | |
| CSDH MMA塞栓術 | 6 | |
| dAVF ONYX TAE | 3 | |
| dAVF ONYX TVE | 2 | |
| ウロキナーゼ動注 | 1 | |
| その他 | 微小血管減圧術 | 9 |
| 脳腫瘍手術 | 2 | |
| 気管切開術 | 3 | |
| 嚢胞開窓術 | 1 | |
| Ommaya 留置術 | 4 | |
| 頭蓋形成術 | 4 | |
| 瘻孔閉鎖・創傷処置 | 2 | |
| プレート抜去 | 2 | |
| その他 | 1 | |
| 合計 | 535 | |