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病院長あいさつ

  • 病院長 野村 幸博
    病院長 野村幸博

当院は地域で唯一の高度急性期機能を有する総合病院であり、地域医療支援病院であることから、その責務を果たすために様々な取り組みをしています。そのような取り組みのいくつかをご紹介します。


  • 救急医療の充実:三次救急医療機関として、24時間365日重症の救急患者を受け入れており、2019年に導入したドクターカーは順調に稼働しており、迅速な救急医療の提供につながっています。昨年11月からの新型コロナ第8波では救急外来受診者数が急増し、特に救急車搬送件数は月に900件を超えて過去最多となりましたが、救急外来の要員を臨時に増員するなど、全職員の協力を得ることにより乗り切ることができました。
  • 医療安全の確保:医療安全管理推進室が中心となって、患者安全のための多岐にわたる活動を行っています。職員の医療安全教育(TeamSTEPPS研修など)、インシデントレポートの収集・分析などを行っています。
  • 院内感染対策:感染対策室を中心に病院全体で院内感染の予防や拡大防止に取り組んでいます。コロナ禍においては院外の活動も積極的に行っており、地域の病院や介護福祉施設の感染対策に協力しています。
  • 医療の質の維持・向上:TQMセンターが良質な医療を提供するための活動をしています。具体的には、様々なQI(質指標=患者満足度、クリニカルパス適用率など)の算出と分析、QC活動(質改善活動)の推進、組織横断的活動の支援、など多岐にわって医療の質の向上に努めています。
  • 職員の教育・研修:医療から接遇にいたるまで、バラエティに富んだ多くのセミナーや研修会を開催しており、eラーニングも積極的に活用しています。

 さて、昨年度特筆すべき成果を挙げた活動として「海匝地区新型コロナウイルス感染症ネットワーク」(以下、本ネットワーク)が挙げられます。昨年夏の第7波では、当地域でも医療機関や介護福祉施設、学校など多くの施設でクラスターが発生し、感染者の急増により医療が逼迫しただけでなく、地域社会全体に大きな影響をもたらしました。これに対処するために、地域ぐるみで感染対策を推進するべく、海匝地区の関係諸機関(病院、医師会、薬剤師会、保健所、福祉施設、学校など)が情報共有と意見交換を行う場として、当院感染症科と地域医療支援センターが中心となり本ネットワークが立ち上げられました。定例会議をオンラインで開催し、各施設の現状報告や具体的な感染予防策の検討などが行われています。会議には毎回多くの参加者があり、地域が一体となってコロナ対策に取り組むことが可能となりました。今後、本ネットワークは香取地区にも広げる予定であり、さらに将来的には災害時のネットワークとしても活用できると考えています。

2023年4月